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適当日記

【免許取消を回避せよ!】クルマを時速52kmオーバーで走らせると、どうなるか教えてやる。行政処分篇(2)

前回までのあらすじ

こちらのシリーズ一覧ページをご覧ください。

累積点数15点 ≠ 免許取消

前回もふれましたが、交通違反を犯すと免許に点数がつけられます。その点数が一定の基準に達すると、点数に応じて免許停止などの処分を受ける事になる、というのはドライバーの方であればよくご存じの事だと思います。

しかし、場合によっては処分の内容が軽くなったり、処分を免除してくれる可能性があるのをご存じでしょうか?

免許取り消し・停止の法的根拠は?

我が国は法治国家ですので、必ず根拠となる法律があります。これを確認してみましょう。 免許の取消し、停止については道路交通法103条1項に定められています。

第103条(免許の取消し、停止等)
第1項  免許(仮免許を除く。以下第106条までにおいて同じ。)を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは 、その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は 、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は6月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。ただし 、第5号に該当する者が前条の規定の適用を受ける者であるときは、当該処分は、その者が同条に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後でなければ 、することができない。



条文を良く読むと「公安委員会は、(中略)その者の免許を取り消し、又は(中略)免許の効力を停止することができる。」とあります。

つまり、免停や免許取消の基準に該当したからといって、必ずしもその通りになる訳ではなく、最終的な判断は公安委員会の裁量に委ねられているということです。

免停90日以上の処分を行おうとする時は、公安委員会がその最終決定を行う上で、違反者に対して、事実関係や当時の事情などを確認するためのイベントが用意されています。それが「意見の聴取」です(道交法104条1項)。処分を受ける人は、意見の聴取の場で、弁明の機会を与えられ、有利な証拠を提出するもできます(同条2項)

有利な証拠とは

有利な証拠とは、ずばり「上申書」です。平たく言うと「反省文」。これを意見の聴取の場で提出する事ができます。

もちろん必須ではありません。口頭で弁明を行うのもアリですが、当日は緊張もしますので、あらかじめ文書にしてしまったほうが、確実に伝わります。

上申書のフォーマットは自由です。ワタクシはA4用紙2枚くらいに

  • 交通違反を起こした経緯
  • 反省とお詫び
  • 今後どのように改善していくのかということ
  • 日々交通安全のために尽力されている警察関係者の方々に対する感謝

を記載した上で「寛大な処置をお願い申し上げます」と締めて上申書としました。最終的にこれが認められ、免許取消から免許停止180日への処分を軽くしていただきました。

とはいえ、本来であれば取り消しに該当するような事態。そのことはしっかりと自覚した上で今後の安全運転につとめたいと思いました。

もっとしっかりした上申書を作成したいのであれば行政書士に文書作成を依頼するという手があります。もちろんお金はかかりますが、交通違反の内容を行政書士にお伝えすれば、文書の作成を行ってくれるので、上申書を書く時間がないという方にはおすすめかもしれません。

もちろん、上申書を提出したからといって、かならず処分が軽くなる訳ではありません。飲酒運転や死亡事故を起こしてしまっているなど、重大なケースでは処分の減免の望みは薄いと言われています。

また、「線の違反」*1と言われるタイプの違反を繰り返した結果処分に該当することとなった場合も減免の望みは薄いとされています。

長くなったので、今日のところはこの辺で。次回は「意見の聴取」の具体的な流れを解説します。

関連リンク

*1:前もって違反だとわかっていながら行う違反の事。たとえばシートベルト着用義務違反、一時停止義務違反、酒気帯び運転などがそれに当たる。反対にスピード違反は人身事故など一瞬のうちに犯してしまうタイムの違反の事を「点の違反」という。