【そして男は被告人となった】クルマを時速52kmオーバーで走らせると、どうなるか教えてやる。刑事処分編(2)
前回の続きです
警察での取り調べが終わってから、2ヶ月がすぎようとしていた。
平和な日々を過ごしていた男のもとに、再び手紙が届いた。
裁判所からだ
しかし男は動じない。
こういった機関からお手紙をもらう事など、慣れたものだからだ。
内容を確認する。
「○月○日に××簡易裁判所まで来てください。」
「フムフム、なるほど。
ついに私も、裁かれるときが来たようだ。」
男は余裕の表情でそうつぶやいた。
そして、淹れたてのコーヒーを口に含み続きを読む
持ち物は以下の通りです
- 身分証
- 印鑑
- 罰金を支払えるだけの相当の額のお金
(最高刑は10万円です。その場で即執行となります)
最高刑は10万円です。
その場で即執行となります
裁判所へ行こう
警察署での取り調べのあとは、いよいよ(?)裁判です。
ATMで10万円をおろし、封筒にいれ、大事にカバンの中にしまったら、裁判所へ向かいましょう。
裁判といっても、裁判官・検察・弁護士・被告人・傍聴人がいるような裁判ではなく「略式裁判」という形式で行われます。
略式裁判とは
上記要件を満たす場合に、検察官の請求により、正式裁判によらないで検察官の提出した書面により審査する裁判手続です。
略式裁判となった場合、簡易裁判所は通常の公判をせずに被告人に対し罰金などの略式命令を出す事ができます。
略式裁判の流れ
ざっくりいうと
- 受付
- 検察官による聴取
- 罰金のお支払い
受付
まずは裁判所から届いたお手紙を渡して受付をします。すると番号札を渡されます。この番号で呼び出されるそうです。
待合室みたいなところに腰を下ろし、呼び出されるのを待ちます。待合室には自動販売機が設置され、なぜか漫画コーナーもありました。
「これ、税金で買ってるのかなぁ」
なんて思っていたら、「2番の方〜」と呼び出されます。
検察官による聴取
呼び出された先には検察官が座っています。検察官から何点か質問されます。
検察官は大変淡々としていて
・これはあなたで間違いないですね?
・どうしてスピード出しすぎたの?
・じゃあ初犯だから軽くしとくね
・ハイ、じゃあ待合室にもどっていいよ
約1分で終了
罰金のお支払い
待合室でボケーと待っていたら「2番の方〜」と再び呼び出し。
ちょっとしたカウンターみたいなところで、
「ハイ、8万円になりま〜す」
とカジュアルに金額を告げられます。
そのカジュアルさたるや、ヨドバシカメラでiPadを買ったとき時にレジのお姉さんに値段を言われた時の感じと大体同じ。
サイバンチョがハンマーみたいなやつをガンガンやりつつ、神妙な雰囲気で
「被告人に、判決を言い渡す…」
的な要素はいっさいありませんでした。
悲しい気持ちで封筒から8万円を引き抜き、罰金を支払いミッション終了。
全体で20〜30分くらいで終了。とっても早い。
ちなみに、略式命令に不服のある場合には、14日以内に公判請求をすることで正式な裁判に切り替える事も可能だそうです。
しかしこの男は、素直に罰を受け入れ、見事前科者となり、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。
刑事処分篇はここまで。
次回は、行政処分、つまり免停とかそっちのお話を書きたいと思います。